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2006年不動産鑑定士論文試験問題(民法、経済学、会計学)

民法
問題1
Aは,Bに対して100万円の貸金債権を有していた(弁済期は平成18年7月31日)。
Aは,平成18年5月12日,この債権をCに譲渡し,同日,その旨の通知を 内容証明郵便でBに発送した。
ところが,翌13日,Aは,その債権をDにも二重に譲渡し,同日,その旨の通知を
内容証明郵便でBに発送した。
これら二つの通知は,同月15日,同時にBのもとに到達した。
他方,Bは,同年5月1日の時点で,Aに対する100万円の売掛金債権を取得しており,
その弁済期は同年8月10日であった。
同年8月15日,Dは,Bに対して100万円の支払いを求めてきた。
この場合のBD間の法律関係を論じなさい。

問題2
Aは,区分所有建物のBの所有する一住戸(専有部分)に,20年以上にわたって
何の権原もなく居住してきた。
Aの死亡後は,Aの相続人であるC及びDのうち,Cが1年余り同住戸に居住し,
現在に至っている。CとDの間では,遺産分割はなされていない。
このような状況において,次の(1)及び(2)について答えなさい。
(1)BがCに対して上記住戸の明渡しを求めたのに対し,Cは,それを拒んだ上で,
Bに対して,同住戸の登記名義につきBからCに所有権移転登記手続をするように求めた。
それぞれの請求が認められるか否かについて説明しなさい。
(2)Cは,上記住戸に居住して以来,同区分所有建物の区分所有者の共同利益に反する行為を
繰り返しており,このことにより,現在,区分所有者の共同生活の維持を図ることが 困難な状態となっている。
区分所有者は,Cに対して,同住戸からの退去を求めることはできるか否かについて
説明しなさい。

経済学
問題1
消費c円から得られる効用が,u(c)である個人Aを考える。
この個人の所得は100 万円とする。
また,確率10%でケガをし,この場合に治療費として50 万円がかかるとする。
つまり,ケガをしないときには100 万円の消費を行うことができるが,ケガをして治療費の
50 万円を支払ったときには,残りの50 万円の消費を行うことになる。
この個人Aはリスク回避的であるとする。
(1) この個人Aの期待効用を計算しなさい。また,個人Aの効用関数を図示し,
計算した期待効用を図上で示しなさい。
(2) このような個人Aと同質の個人が多数存在している経済を想定し,ケガをするリスクを
対象とする保険制度を考える。
それぞれの個人がケガをすることと,他の人がケガをすることとは独立であるとする。
この経済におけるこの保険制度の保険料を計算し,その制度の概要を説明しなさい。
また,この保険制度が経済の資源配分に与える効果を,(1)で示した図と同様の図を
図示しながら論述しなさい。

問題2
ある国において景気が後退し財政赤字が増加したとする。このとき次の問に答えなさい。
(1) 財政赤字の増加のうち少なくとも一部は景気後退によると考えられる。
その理由を述べなさい。
(2) 景気後退に伴う財政赤字の増加は,経済全体を安定させるという観点から望ましいという
考えがある。適切なモデルを用いてこの考えについて説明しなさい。
(3) 景気刺激策として政府が財政支出を増加させたとする。
そのとき,金利,物価,為替相場,設備投資,輸出,輸入にはどのような影響があらわれるか。
適切なモデルを用いて説明しなさい。

会計学
問題1
企業会計原則注解(注15)では,一定の条件を備えている臨時巨額の損失について,
これを経過的に貸借対照表の資産の部に記載して繰延経理することを容認している。
この臨時巨額の損失に関して次の問に答えなさい。
(1) 臨時巨額の損失の繰延経理を容認する一定の条件を説明しなさい。
(2) 臨時巨額の損失の繰延べについて,「期間損益計算の適正化という観点から,これを
資産計上する論拠を見出すことはできない。」とする見解がある。
この見解の基礎にある論拠を説明しなさい。
(3) 臨時巨額の損失の繰延べ(A)と,その他繰延資産項目(B)との相違点のうち,
「資産性」について(A)と(B)とを比較する形で説明しなさい。

問題2
資産の取得原価の決定に関する次の問に答えなさい。
(1) 制度会計上,通常の市場交換を通じて購入した資産の取得原価は,どのような
考え方に基づいて算定されるか述べなさい。
さらに,こうした考え方が採用される理由を2つの観点から説明しなさい。
(2) 有形固定資産を現物出資,交換または贈与によって取得した場合の取得原価の算定方法を,
3つの場合のそれぞれについて簡潔に説明しなさい。
なお,算定方法は連続意見書第三の考え方によること。
(3) 所有権移転ファイナンス・リース取引により取得したリース資産の取得原価の原則的算定
方法について説明しなさい。
この場合,借手においては当該リース資産の貸手の購入価額等は明らかでなく,貸手の計算利子率も
知り得ないものとする。
さらに,例外的算定方法によった場合,営業利益が発生しているものと仮定して,これが損益計算書の
営業利益の金額にどのような影響を及ぼすと考えられるか述べなさい。





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