平成17年不動産鑑定士第2次試験本試験問題 〜経済学、民法〜
経済学
・問題1
相対取引と市場取引との違いを情報の非対称性の見地から説明しなさい。特に,相対取引に
ついては具体的な事例をあげて説明しなさい。
・問題2
ある経済の消費をC,投資をI,所得をY,利子率をr,貨幣量をM,物価水準をP,政府支出
をGとする。消費関数を
C=a+bY;a>0,0<b<1,
とし,投資関数を
I=c−dr;c>0,d>0,
とする。貨幣の需要関数Lは,
L=e+fY−gr;e>0,f>0,g>0,
とする。海外部門を考えない閉鎖経済を想定することとする。また,物価水準Pは一定とする。こ
のモデルに対する次の小問に答えなさい。
(1)政府支出を1 単位増加させた場合に,均衡の所得はどれだけ増加するか求めなさい。また,適
切な金融政策を組み合わせて,利子率を政府支出の増加前の水準に保つことができた場合には,
同じく政府支出の1 単位の増加により,均衡の所得はどれだけ増加するか求めなさい。
(2)現在の日本において,仮に,小問(1)で考えたような,政府支出を増加させる景気対策を行う
ことを考えた場合に,上記で示されているモデルを使用してその効果を試算したとする。このよ
うな試算結果と現実の成果が一致するかどうかについてのあなたの考えを述べなさい。もし一致
しないと考えたときには,その根拠を,上記で示されているモデルのどこが現実をとらえきれて
いないかという点を踏まえて明確に説明し,また,モデルをどのように変更すれば,その問題点
が解消されるかについても説明しなさい。
民法
・問題1
不動産登記の効力に関する以下の各小問に解答し,かつ,それぞれの小問で結論が異なると
きには,なぜ,そのような差が生じるのか述べなさい。
1、Aは,Bに土地を売却して登記も移転した。Bは,この土地をCに売却したが,未だ登
記は移転していない。その後,Bが売買代金をAに支払わないので,Aは,Bとの売買契
約を解除した。Aは,Cに対して土地の返還を求めることができるか。
2、 Aは,Bに騙されて,Bに土地を売却して登記も移転した。Bは,この土地を,事情を
知らないCに売却したが,未だ登記は移転していない。その後,Aが,Bの詐欺に気がつ
いてBとの売買契約を取り消した。Aは,Cに対して,土地の返還を求めることができるか。
3、 AとBとは,税金対策のため,真実は売買する意思がないのに,Aの土地をBに売却し
たかのような契約書を作成して登記も移転した。Bは,この土地を,事情を知らないCに
売却したが,未だ登記は移転していない。その後,Aが,AとBとの売買契約が無効であ
ることを主張して,Cに対して土地の返還を求めることができるか。
(参考)
民法第94条第1項相手方ト通シテ為シタル虚偽ノ意思表示ハ無効トス
同条第2項前項ノ意思表示ノ無効ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス
同法第96条第1項詐欺又ハ強迫ニ因ル意思表示ハ之ヲ取消スコトヲ得
同条第3項詐欺ニ因ル意思表示ノ取消ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス
同法第177条不動産ニ関スル物権ノ得喪及ヒ変更ハ登記法ノ定ムル所ニ従ヒ其登記
ヲ為スニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス
同法第545条第1項当事者ノ一方カ其解除権ヲ行使シタルトキハ各当事者ハ其相手方ヲ原
状ニ復セシムル義務ヲ負フ但第三者ノ権利ヲ害スルコトヲ得ス
・問題2
A建設会社の従業員Bは,同僚の従業員Cが運転するAの社有車に同乗し,会社から作業現
場に向けて出発したが,この車両が衝突事故を起こし,そのためBは即死した。Bの妻Dは,
Bの死亡を事故当日に知らされたが,事故から4年を経過して初めて,Aに対して損害賠償を
請求した。このDからAに対する損害賠償の請求は認められるか,仮に認められるとすれば,
Dは,自分固有の慰謝料を含めて請求することができるか,以下の1、2それぞれの場合につ
いて説明しなさい。
1、Bの乗った車両は,A社敷地内に機材が雑然と置かれ,また,他の車両も多数走行して
混雑していたために,A社敷地内で,A所有の他の車両と衝突する事故を起こしたもので
あるとき。
2、Bの乗った車両は,公道に出た後,運転していたCのスピードの出し過ぎ及び前方不注
意により,ガードレールに衝突する事故を起こしたものであるとき。
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